IT業界の構造をわかりやすく解説|元請け・下請け・多重下請けとは?図で完全理解
IT転職を考えていると、こんな疑問が必ず出てきます。この構造を知らないまま転職すると、「思っていた仕事と全然違う…」という失敗につながります。
この記事では、IT業界特有の元請け・下請け・多重下請け構造を図解でわかりやすく解説します。
IT業界の構造は「ピラミッド型」
IT業界には、他の業界にはない特殊な構造があります。それが多重下請け構造です。
簡単に言うと、大企業から中小企業へと仕事が「孫請け・ひ孫請け」と次々に発注されていく仕組みです。建設業界の「ゼネコン→工務店→職人」に近い構造ですが、IT業界ではこれが特に顕著です。
↓ 受注
元請けSIer(NTTデータ・富士通等)が全体を管理
↓ 一部を外注
一次請け(中堅SIer)が設計・開発を担当
↓ さらに外注
二次請け・三次請け…(中小SIer・SES企業)が実装を担当
この構造のポイントは、下に行くほど年収が低く、上流の仕事(要件定義・設計)から遠ざかるという点です。転職する際は「自分が入る会社がどのレイヤーか」を必ず確認しましょう。
【図解】多重下請け構造をインタラクティブに確認
各レイヤーをクリックすると、具体的な会社例・仕事内容・年収目安が確認できます。
各レイヤーの違いを一覧比較
「どのレイヤーの会社に転職すべきか」を判断するための比較表です。
| レイヤー | 年収目安 | 担当工程 | 技術力 | 安定性 |
|---|---|---|---|---|
| ユーザー企業(社内SE) | 500〜800万 | 上流〜全般 | △〜○ | ◎ 非常に安定 |
| 元請け大手SIer | 600〜900万 | 上流・管理 | △(管理中心) | ◎ 大手安定 |
| 一次請け中堅SIer | 450〜650万 | 設計〜実装 | ○ バランスよい | ○ 比較的安定 |
| 二次〜三次請け・SES | 300〜500万 | 実装・テスト | △ 現場次第 | △ 案件次第 |
| Web系自社開発 | 500〜900万 | 全工程 | ◎ 高い | ○〜△ 規模次第 |
下請けのメリット・デメリット
「下請けは悪い」という印象を持ちがちですが、実はメリットもあります。転職前にフラットに理解しておきましょう。
下請け・SESのメリット
- 未経験・第二新卒でも入りやすい(採用ハードルが低い)
- 多様な現場・業界を経験できる(金融・医療・製造など)
- スキルさえあれば単価交渉がしやすい
- 大手の現場に常駐できる機会がある
下請け・SESのデメリット
- 年収の上限が低くなりやすい(中抜きが発生するため)
- 下流工程(テスト・保守)しか経験できない現場も多い
- 自分の意思でプロダクトに関われない
- 常駐先が変わるたびに環境が変わるストレス
- 「偽装請負」など法的にグレーな現場が存在する
転職するならどこを狙うべきか
技術力を高めたい → Web系自社開発 or 一次請け
最新技術に触れながらスキルアップしたいなら、Web系自社開発企業が最もおすすめです。難易度は高いですが、エンジニアとしての市場価値が上がりやすい環境が整っています。SIer系なら一次請けを狙うと、設計から実装まで幅広く経験できます。
安定を重視したい → 大手SIer or 社内SE
給与水準・福利厚生・安定性を重視するなら、大手SIerやユーザー企業の社内SEが向いています。コードをがっつり書くより管理・調整業務が多い点は覚悟しておきましょう。
未経験からまず入りたい → 二次請け・SES → 転職で上を目指す
完全未経験の場合、まずSESや二次請けSIerに入って実務経験を積み、2〜3年後に一次請けやWeb系へ転職するルートが現実的です。最初からWeb系を目指す場合は、独学やスクールでポートフォリオを作ってから挑戦しましょう。
- 転職エージェントに「元請け案件のみか確認したい」と伝えると情報を引き出しやすい
- 求人票の「客先常駐あり」表記は二次請け以下のサインであることが多い
- 「自社開発」「自社サービス」と明記している求人はWeb系または社内SEの可能性が高い
- 面接で「担当する工程」「常駐の有無」を必ず確認する
まとめ
IT業界の多重下請け構造をまとめると、こうなります。
- ユーザー企業(社内SE):安定重視ならここ。IT企業ではなく一般企業のIT部門。
- 元請け大手SIer:給与・安定はトップクラス。ただし管理業務が中心になりやすい。
- 一次請け中堅SIer:技術と管理のバランスが取れた現実的な選択肢。
- 二次〜三次請け・SES:未経験の入口としては使えるが、長居は禁物。
- Web系自社開発:技術力と年収を上げたいなら最終的にここを目指したい。
IT転職で失敗しないためには、「自分が入る会社がこのピラミッドのどこにいるか」を必ず把握することが重要です。求人票だけでは判断できない部分も多いため、転職エージェントや口コミサイトを活用して実態を調べましょう。


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